【レポート】Alteryx Inspire 2023:Day2 Keynote 新機能対決!エンジニアと製品マネージャーが未来を語る #alteryx23
こんにちは、アライアンス統括部の清水です。
現地時間2023年05月22日(月)〜2023年05月25日(木)に米国ラスベガスで開催されているAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2023」。今回クラスメソッドからは計6人のメンバーが現地参戦しています。
当エントリでは、5月25日(木)8:30 AM - 9:30 AM PDT【太平洋時間】に行われた基調講演『Alteryx Product Sneaks』についてレポートします。
Alteryx Product Sneaks
Keynoteの概要は以下の通りです。
概要
「SNEAKS」では、才能あふれるAlteryxのエンジニアや製品マネージャーたちが未来への新機能について熱く語ります。プラットフォーム副社長であるCorey Spencer氏が、特別ゲストのReggie Watts氏と共にメインステージに登場。発表の最後には、観客自身が投票によって優勝者を選びます。我々が今何を準備しているのか、どうぞお見逃しなく。
スピーカー
COREY SPENCER【VP of Alteryx Platform, Alteryx】
Corey Spencer氏は、Alteryxでプラットフォームプロダクトマネージメントの副社長を務めています。専門分野はエンタープライズSaaSで、複雑なデータシステムについての20年以上の経験を持っています。彼は、世界最大級のSaaSベースの分析ソリューションを構築・支援し、グローバルチームを成功へと導いてきました。Alteryx加入前は、New RelicおよびAdobeでリーダーシップポジションにいました。ブリガムヤング大学にて学士号を取得しています。
はじめに
MC登場
Alteryxでプラットフォームプロダクトマネージメント副社長を務める、Corey Spencer氏と特別ゲストのReggie Watts氏が、MCとして登場します。
新機能対決について
この後本編にて、Alteryxのエンジニア達による新機能対決があると発表。開発者達が製品を生み出すことにより、我々はその恩恵を受けることが出来るため敬意を示しました。そして日々生活をする上で課題解決をする重要性を強調し、Alteryx幹部に対し優先すべき課題を理解する必要性があると訴えました。新機能対決の最後には、視聴者の投票によって3、2、1位が決定され、優勝者にはサプライズがお待ちかねのようです。
AIの未来予測
MCはその後、AIがこの先人々から仕事を奪う役割を担うのではなく改善の手助けになるとし、AIと現実的な方法で対話できるようになると未来予測を語りました。その後、特別ゲストでミュージシャンのReggie Watts氏による歌の披露がありました。
Keynoteであることを忘れ、まるでX-FactorのようなLIVE会場の雰囲気でした!
会場が盛り上がったところで、新機能対決がスタートします。
発表スタート
①:WorkFlow AutoDoc
Emily Van Ark氏
"Alteryx Designer" にてWFの目的、入力、出力、および主要なロジックの簡潔な要約を自動的に提供するために、OpenAIのChatGPTを活用したツールが「Workflow AutoDoc」です。
誰かが作ったWFを引継ぎする場合、WFの中身を1つずつ開いて、すべてのツールを注意深く読まなくても、このWFが何をするものなのかすぐに理解する必要がありますよね。上記のような状況を防ぐために、現状ではドキュメント作成が必要です。
しかし「Workflow AutoDoc」の利用によって、全体の要約が文書にて自動提供されるようになるため、WF作成者以外の人でもデータの流れが把握しやすくなります。これがあると、業務の情報をコンテナツール内にいれマニュアル用に活用している場合、作成者が手作業で都度メモにして残しておく必要がなく、WF作成者しか内容がわからないといったような、属人化も防げる良いツールだと感じました。
この生成AIを搭載した「Workflow AutoDoc」は、Alteryx Communityに初版公開されています。この機能が初版であり、今後改善される可能性があるとのことです。会場ではQRコードを紹介してましたが、以下のページからCommunityサイトへアクセスしできます。
Introducing the Workflow Summary Tool, Powered by Generative AI
②:Tool Studio
Josh Rosenberg氏
クラウド上でツールを作成し、そのツールの利用状況やパフォーマンスなどをモニタリングできるのが「Tool Studio」です。
ツール作成はユーザーがドラッグアンドドロップにて、コード不要で作成可能。現在のプラットフォーム、既存のデスクトップ製品、サーバ製品に対応します。
また作成したツールを実際にテストする機能も提供されます。
そしてツールが一度公開されると、使用回数やダウンロード数、前日のアクティビティ、平均遅延時間などをモニタリングし、分析できます。またツールで何か問題が発生した場合、ユーザーが気づく前に通知される仕組みとなっています。
現在データ処理については特許出願中とのことで、具体的にいつから利用できるのかは言及されていませんでした。
③:Multiplayer Designer Cloud
Andre Hochmuth氏 x Adam Neylon氏
「Multi-player Designer Cloud」は、"Alteryx Designer Cloud"にてWFを一緒に共有しながらフローの作成が可能となるツールです。
ペアプログラミングのように、同時にWFを構築していけます。プレゼンターはオーストラリアとアメリカといった遠く離れた二拠点でも、実際にDEMOと同じようにリアルタイム共有できるとのことでした。
日本では組織単位でAlteryx Deisgnerを利用しWFを利用しているケースが多いため、このツールは個人単位の利用のほうが需要がありそうに感じました。なお今回のDEMOでは差分管理に関する点の説明はなく、複数人で作業するうえでこれは必須条件だと思うので、正式にリリースされるのであれば、追加情報が今後のUPDATEに期待したいと思います。
④:Command Center
Michaela Corrothers氏
"Alteryx Analytics Cloud"の「Command Center」というツールに関しての紹介です。組織がどの程度Alteryxを活用しているか、また類似企業との比較、さらに改善のための提案などを要約した概要ページを提供します。
この概要ページでは、組織がAlteryx製品を使用することで得た具体的な価値や、認証情報、データ接続に関する情報も示されています。
さらに深堀すると、特定の部門がどのようにファンド(資金)を使用しているか調査することが出来ます。ここでは地理情報に基づく可視化を用いて、データを解析が紹介されています。
「Command Center」を活用することで、組織の状況や売上状況を把握し、ビジネスにおける適切なアクションプランを立てることが可能になると締めくくりました。
⑤:Watch Dog
Kseniya Podyablonskaya氏
「Watch Dog」は、データソースをモニタリング出来るツールです。異なる時間に異なる量のデータを送ってくる様々なサプライヤーが存在していても「Watch Dog」を使用することで、そういったデータを結合し、効率的に処理することが可能になります。
「Watch Dog」があれば、データ処理のスケジューリングを常に確認する必要がなくなり、作業がスムーズに進行します。
現在は準備段階でリリース待ちの状態とのことです。最後に「Whatch Dog」を導入することにより、ビジネスの意思決定に関連する課題や困難な事柄を、払拭することが出来ると締めくくりました。
⑥:Flowetry
Derek House氏
「Flowetry」は生成型AI搭載のパワーツールで、それにはChatGPTがこの上ない方法だったということです。
イントロモード(初心者向け)
まず最初に、Alteryx初心者向けのイントロモードの紹介です。
Alteryx Designerへサンプルデータを読み込ませると、その情報からFlowetryがどのようなユースケースが考えられるのか、画面の左側に複数のユースケースを提案してくれます。
このDEMOでは「Let’s go」ボタンを押すとすぐ4通りの選択肢が表示され、Canvas内にはそのうちの1つ目のユースケースに必要なツールが配置されていました。
では4つの選択肢から、今回の要件に合うユースケースはどれか確認をしていきます。
概要を読んでもどれを選べばいいか不明な場合、クリックすると該当のユースケースの詳細まで確認することができます。
さらにカスタムオプションも用意されており、どの選択肢も要件に当てはまらなかった場合、カスタム欄に要件定義すると、Flowetryがそれに必要なツールを生成し、Canvas上に配置してくれるとのことです。
その後は普段利用してるように「実行」すると、データの処理が実行され、閲覧ツールで処理結果のデータを確認することができました。
Flowモード(中・上級者向け)
次にAlteryx 中・上級者向けとしてフローモードの紹介です。
まず先にオプション設定にて、Flowモードへ変更します。
その後Canvasへ移動しアンカーをクリックすると、Suggest機能が発動されます。ユースケース単位だったイントロモードに対し、次に利用が想定されるデータ処理単位で提案されます。またどれも想定している要件とは異なっていた場合、「New Suggestion」を選択すると、別のデータ処理の内容が選択肢に表示されます。
次々とSuggestされた通り、要件に沿うものを選択していくと、このようにあっという間にWFが完成してしまいます。
これはDEMOの完成形です。Flowetryを利用すると、これほど沢山あるツールがわずか数十秒で、Canvasに配置できてしまいます。これに会場は拍手喝采!
さらにフローの途中に戻り別のデータ処理も追加可能で、こんな複雑なフローもでさえも、わずか数十秒で完成してしまいました。めちゃくちゃ便利!私も早く使ってみたいです。
MCのお二人もびっくり。ミュージシャンのReggie Watts氏が「すごく興奮してる!これでストレスがだいぶ軽減されるよね」と大喜び。改めてAIの進歩はすさまじいと実感しました。
そしてミュージシャンの彼が、普段Alteryxをどのように利用しているのか活用事例も気になりました。
TIME TO VOTE
全ての発表が終わり投票へ。「SCAN ME」からQRコードをスキャンし、弊社メンバーも気に入った新機能に対して投票しました。
優勝者へのサプライズは、Alteryxのスニーカーでした!カラフルでかわいいですね。
The winner is...
結果は以下の通り
- "Flowetry" by Derek House
- "WorkFlow AutoDoc" by Emily Van Ark
- "Watch DoG" by Kseniya Podyablonskay
優勝されたDerek House氏は、実はこのKeynoteの後に予定されていた『ChatGPT & Alteryx- How to use Large Language Models』の登壇者でもありました。
このセッションはちなみに立ち見が出来るほどの人気で、1度きりの開催が追加でもう1枠追加されたほどでした。 【レポート】AIとデータサイエンスの融合 – ChatGPT x Alteryxによる大規模言語モデルの効果的な使用法 #alteryx23
終わりに
Keynote終了後にランチをしていたら、私の隣に偶然2位に入ったEmily Van Arkさんがいらっしゃいました。ご本人が私と一緒に撮影した写真をUPしていいと言ってくださったので、この場を借りてお礼申し上げます。(ぜひ英語に翻訳して私のブログを読んでほしいです)Emilyさんへは普段Alteryxを日本語環境で利用しているため、英語圏にいる皆さんほど活用が出来ていない点を前置きに踏まえたうえで、日本での活用事例をお話ししました。
イベント参加者がただトレーニングやセッションを受講するだけでなく、こちらからもこのようにスピーカーの方々へ質問をしたり、意見交換ができるInspire2023は、素晴らしいイベントだったと思います。
どなたかのお役に立てば幸いです。Ciao!